小さき者の戦い

こっちには少々長めに。
 
今日は風呂掃除の当番があたっていた。
早く秩父宮に行きたかったが、当番をサボるわけにはいかない。
11時に風呂掃除を終えるとすぐに地下鉄に乗った。
 
競技場に着いたのは12時。
ちょうど一試合目が始まったところだった。
コカコーラ対NECを見る。
社会人ラグビーはよく知らないが
NECのが強いらしい。
入り口のところで買ったたこ焼きがまずくて凹んだ。
NECの圧勝かと思われたこの試合、
前半は競った。
しかしながら結果としてはやはりNECの余裕を持った勝利となった。
 
続く第二試合。
早稲田対トヨタ
いくら早稲田史上最強のチームとはいえ、
トップリーグのチームはここ17年間学生に敗れていない。
下馬評はトヨタの有利。
早稲田魂でどこまで食い下がれるか。
 
隣のおばちゃん達がうるさい。
早稲田のファン暦が長いみたいだが随分と失礼だ。
「あ〜あやっぱり無理だ。今年もこれで終わりか。」
という言葉を何度も繰り返した。
本当に早稲田ファンか?と疑いたくなる。
だって一度もリードを許してないのに
その言葉を何度も繰り返してる。
僕が数えただけでも29回。気分が悪くなった。
勝利を信じている者に対して相当な無礼を働いているのに
そこはおばちゃんという職業における病なのか、
周りの目は気にしない。周りの声は聞こえない。
ひょっとしたら早稲田のOGかもしれないが、
そんなのは認めたくない。早稲田をなめるなと言ってやりたい。
おばちゃんたちは早稲田に嘆き飽きると
持ってきたお弁当の話をし始めた。
「このコロッケお〜いしいでしょ〜?」
いい加減にしてくれ。ってか帰れよ。
 
後ろのおじいさんが酔っ払って叫びだした。
トヨタ恥を知れーー!!」
隣のおばちゃんはそれに対して
「迷惑ねぇ〜」
とぼやいている。
おばちゃんのがずっと迷惑だ。
 
試合結果はご存知の通りだ。
早稲田の果敢な攻めと粘りの守りで金星をあげた。
曽我部のトライも内橋のトライも五郎丸のキックも
それを守るタックルも全てに魂がこもっていた。
選手達の気迫のこもったプレーは見る者を魅了した。
 
残り10分、ワントライされれば逆転となってしまう展開となった。
どこからかワセダコールが起こり
会場がワセダの三文字に包まれた。
一体感。
ワセダだからこその一体感。
体格の違いに屈せず最後まで果敢にタックルに行く姿。
これが伝統か。
 
清宮は大学日本一になったとき言った。
「早稲田に入って良かった」
早稲田の戦いはまだ終わらない。